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バッテリーの廃棄

最終更新日: 作者:月寅次郎

自動車用バッテリーの廃棄方法(4パターン)

バッテリー 自動車

自動車用バッテリーは、鉛、希硫酸、プラスチックなどで構成されているために、普通にゴミを出す感覚では、廃棄することができません。

大抵のゴミでしたら、各地方自治体のゴミ収集の決まりに従えば、回収してくれるのですが、バイクや自動車のバッテリーは「自治体では回収しません」となっているところがほとんどです。

それでは、バッテリーはどのように廃棄したらよいのでしょうか?

一般的に廃バッテリーは、バッテリー買い換えの際に出るものですが、新しいバッテリーの入手方法や、DIYで交換するか、交換を業者に依頼するかなどによって、古いバッテリーの最適な処分方法も変わってきます

店舗で直接購入する場合、インターネットで通販購入する場合 、業者に交換作業を依頼する場合 など、さまざまな場合に分けて考えてみましょう。

● 関連記事:バッテリーの型式と互換  バッテリー用語集  バッテリーの交換手順

1.カー用品屋・ホームセンターなどで購入、DIY交換の場合

エーモン
ショート防止
2Wayレンチ

(バッテリー交換用)
カー用品量販店やホームセンターなどでバッテリーを購入後、DIYで交換する場合
バッテリーを購入した店舗に、廃バッテリー持ち込むと、たいてい無料で引き取ってくれます。

まず間違いなく引き取ってくれるはずではありますが、念のため、購入時に
「廃バッテリーの引き取りサービスの有無、手順」について、事前に尋ねておきましょう
「古いバッテリーの処分は、当店でバッテリーを購入した場合に限ります」というお店も多いですので、その店舗でバッテリーを購入したことを証明できるように、バッテリー購入時のレシートを保管しておくと、間違いがありません。

2.ネット通販で購入、DIY交換の場合

不要バッテリー
回収サービス

(着払い伝票)
バッテリーをネット通販で購入し、自分で取り付けをする場合
ネット通販のバッテリー専売業者は、価格競争力が高く、最安値でバッテリーを購入したい方には、有力候補となります。

ですが悩みの種は、バッテリーの廃棄をどうするか? …という事です。
店舗購入の場合は、その店舗へ持ち込めばよいのですが、通販で購入の場合はそうもいきません

ネット通販といえども、「廃バッテリーを引き取ります」と、明示しているところがほとんどです。しかし同時に、「廃バッテリーの送付代金は、お客様がご負担下さい」 との記載があることも多いのです。

これは、法律上、バッテリーの販売業者は廃バッテリーの引き取り義務があるので、「廃バッテリーは引き取りません」とは表記できないからです
だからといって、廃バッテリーの引取送料を店舗負担にしてしまうと、経費負担が増してしまい、価格訴求力が出せなくなるので、このような形を取っているのです。

自動車用バッテリーは10~15kg前後の重量物ですから、自費で廃バッテリーを送付すると、数千円かかってしまう場合もあります。
これでは、安くバッテリーを買った意味がありません

廃バッテリー
回収伝票

(家まで集荷)
結局のところ、ネット通販でバッテリーを購入した場合は、自分で古いバッテリーを処分してくれるところを見つける必要があります

具体的には、カー用品量販店や整備工場、ガソリンスタンド、解体屋さんや廃品回収屋さんなどに、古いバッテリーの引き取りの可否と、その際の処分料金を聞いてみることになります。

近年では、鉛の取引相場が高値で推移しているため、使えなくなった自動車用の鉛蓄バッテリーも、鉛のリサイクル資源としての価値が高まってきました。そのため、バッテリーの廃棄処分に費用がかかるケースは減少し、無料で引き取ってくれるお店が増えています

量販店や整備工場などが、すべて無料引き取りに応じてくれるとは限りませんので、事前に引き取りをしてくれる店舗や業者を見つけておくとよいでしょう。

【 補足 】
以前は、バッテリーの廃棄費用(引取処分価格)は、500円~1000円が相場でした

車のメンテナンス歴が浅い方に、「バッテリーは有料処分が普通だった」と言うと、「都市伝説扱い」されることもあるのですが、長年メンテをやっている方からすると、「何をか言わんや」という感じです

鉛相場が以前のような価格に戻れば、廃棄費用も再び有料になるでしょうが、そうなるかどうかは、実際のところ判りません
ただ、今の現状で無料で処分できたからといって、ずっとそうとは限らないということを、頭に入れておくと良いと思います (バッテリー処分費用は、鉛のリサイクル相場によって変動するものです)


3.オートバックスやイエローハットで購入後、作業を依頼する場合

カー用品量販店でバッテリーを購入し、その店の整備工場でそのまま取り付けてもらう場合は、バッテリーの廃棄まできちんと処理してくれますので、手間がかからず楽ではあります。

工賃はかかりますが、交換後に廃棄バッテリーを持ち込むような、二度手間の必要もないのが良いところです。

安心できるブランドの、自車に適合する型式のバッテリーが、そこそこ安く販売されている時などにオススメです。
工賃はバッテリー廃棄量込みで、500円程度であることが多いようです。

※ 廃バッテリーの価値によって、価格は変動します。
また、量販店の系列によっても、価格は様々です。
バッテリー販売費で稼いで、工賃はサービス価格の店もあれば、バッテリー価格を安く表示して消費者を釣り、工賃は高めに設定している店など、さまざまです(事前に確認しましょう)

Panasonic
CAOS Blue Battery
N-100D23L/C8
ちなみに、ディーラーやガソリンスタンドなどで「お任せ」にしてしまうと、「工賃」プラス「ほぼ定価のバッテリー代金」が、請求書に記載されてきたりします。
「定価」なので、「ぼったくり」ではないのですが、いわゆる・・・
「勧められるままにお任せにしておくと、決して安くはならない」というやつです。


そういった理由から、バッテリーの廃棄も含めて、購入と交換を、同一業者に依頼する場合は、バッテリー本体価格、交換工賃、処分費用の合計価格が、トータルで安い店を選ぶことが重要です
「DIYでバッテリー交換をしない」という場合は、この点に留意しましょう。

価格のみにとらわれて、激安バッテリーを選ぶのだけは止めましょう。かえって高く付くことがあります。
自動車バッテリーは、有名専業メーカーか、それと同程度のしっかりしたメーカーのものを選びましょう。 GSユアサ、古河電池、BOSCH、ACデルコ、パナソニック、HITACHI、等なら、まず安心です

4.バッテリー持込で、交換と処分を整備工場に依頼する場合

GS YUASA
ECO.R Revolution

ER M-42R/55B20R
新品バッテリーを持ち込みで、交換と廃棄を整備工場に依頼する場合
「バッテリー持ち込みで、交換作業を業者に依頼」 の場合は、持込のバッテリーであったとしても、バッテリーの廃棄処理まで請け負ってくれるところが多いようです。

ただ、どこでもそうだと思いますが、交換パーツの持ち込みは、あまり歓迎されるものではありません

交換用パーツの販売利益が生じない分だけ、儲けの薄い商売になってしまうので、整備業者としては、「手間ばかりかかって、おいしくない」 のです。

だからといって、あからさまにダメという店も少ないとは思いますが、このような事情を理解の上、事前に業者さんに相談した上で、事を進めていくのがいいと思います。

持ち込みの場合、「できません」とか、「規定工賃は、当店でバッテリーを購入した場合の工賃です、パーツ持ち込みの場合は別工賃になります」…と言われる可能性もあるということを、念頭に置いて相談の上、依頼しましょう。
(販売がメインで、取り付けはサービスという位置づけの店は特に・・・です)

前の項目で、「工賃はバッテリー廃棄量込みで、500円程度であることが多い」と書きましたが、これは「その店舗でバッテリーを購入することが前提の、サービス価格」です。
つまり、バッテリーを買ってもらうために、交換工賃と廃棄費用を、ほとんど利益が出ないところまで安くしているのです。
バッテリー持ち込みの場合の作業工賃は、1000円~2000円であったとしても、おかしくはありません。



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