スパークプラグ関連のトラブル

■ プラグコードの張り付き


ねじってもひねっても、プラグコードが外れない場合は、プラグにプラグコードのゴムが「張り付いている」という場合があります。

このような場合、プロは「プラグプライヤー」という専用の工具を使用します。
(販売時の商品名称は、プラグブーツプライヤー、スパークプラグソケットプライヤー、スパークプラグコードプライヤーなど、メーカーによってさまざまです。)

サンデーメカニックでこれを持っている人は、あまりおられないとは思いますが、もしもこれが使用できるようであるならば、まずは試してみてください。
ただ単に、プラグキャップをしっかりとホールドできるように作られたプライヤー形状の工具ですが、専用工具には一日の長があります。

「 そんな特殊工具は持っていない 」 ・・という場合には
  • 握力の回復を待って、何度も挑戦する。
  •  (もしくは、力の強い人に頼みます。 うまくいくと外れます)
  • さっさと諦めて、プラグ交換を整備工場に頼む。
  •  (プラグコードが張り付いているからといって、よけいに料金を取られることはないと思います)
  • プラグコードが破損することを覚悟の上で、プライヤー等を使用して取り外す。
  •  (プラグコードが劣化・硬化しており、交換したほうが良い場合など)
・・の、どれかを試してみてください。

無理な外し方をしたり、キャップではなくコード部分を持って引っ張ったりすると、プラグコードの破損につながる場合がありますので、気をつけましょう。

コード内部で、断線や接触不良が発生した場合、エンジンのハンチングやアイドリング不調となって現れることがあり、後々面倒です。
電気系統のトラブルは、目視だけでは不良箇所の特定が難しく、できるだけ避けたいところです。

ちなみに、プラグキャップの張り付きを予防する簡単な方法は
「定期的にプラグの状態を確認する」というものです。 (時々プラグコードを外すということです。)
温度的な要因も作用しているとは思いますが、長期間プラグコードを外さずに放置することが「強力な張り付き」の第一要因です。

■ 異物の落下


プラグホールの周囲に、砂やゴミなどの異物がある場合、スパークプラグの脱着時に異物がシリンダー内に落ち込み、エンジンに悪影響を与える場合があります。

このようなトラブルを避けるためには、プラグレンチをかける前に、プラグホールの周囲に異物が無いか、目視確認をします。

最近の車両は、プラグホールが奥まった場所にあることが多く、目視確認が難しいと同時に、異物があったとしても、除去しずらい場合もあります。
このような車両は、プラグコードに、異物落下防止用の「蓋」が付いていたり、シリンダーヘッドに耐熱性の樹脂カバーが装着されていることが多く、これにより、はじめからプラグホール周囲に異物を付着させないような設計となっています。

いざプラグを交換しようとボンネットを開けた時に、これらの「カバー」が、きちんとはまっているようであれば、さほど神経質になる必要はありませんが、何らかの理由により、外れたり、大きく隙間が開いているのを発見してしまった場合は、懐中電灯やペンライトなどを使用して、プラグホール周りを確認することをオススメします。

ドレスアップを目的として、または放熱性を向上させるため、シリンダーヘッドの樹脂カバーを取り外す場合は、上記のような異物付着を防止する効果が失われてしまいますので気をつけましょう。
「ただの飾り」にしか見えないパーツですが、「装着されているのには意味がある」という良い例です。

また、常日頃から未舗装路を走行するような車両の場合は、異物の付着も多くなりがちです。
走行状況に応じ、配慮するとよいでしょう。

■ ねじ溝の破損


スパークプラグを装着する際に、ねじ溝がきちんとかみ合う前の状態でラチェットレンチなどを使用すると、ねじ溝を傷めかねません。

スパークプラグのねじ溝は鉄系の素材でできており、受け側のシリンダーヘッドはアルミ系の素材でできていることが多いです。
互いの硬さが異なるため、一つ間違えると、柔らかい方のシリンダーヘッドは簡単にダメージを受けてしまいます。

ねじ溝がかみ合ったとしても、指で回せるうちは、指で回すということが、大事です。

■ 火傷に注意


走行後、エンジンが熱い状態でプラグの交換や点検をすることは、あまりお勧めできません。
できればエンジンが冷えてから作業を行いたいものですが、そうも言っていられない場合というのもあります。

エンジンが熱い場合、取り外したプラグもかなり熱を持っていますので、取り扱いには気をつけましょう。
素手で持とうとすると、熱くてプラグを落としたり、火傷したりすることがあります。

■ 焼け具合を見るときの盲点


スパークプラグで焼け具合を確認する場合は、「どういった条件下での焼け具合を見ているのか?」といったことを意識しておきましょう。

30分間アイドリングをした後の状態と、エンジンに一定の高い負荷をかけた直後の状態では、同じ車両、同じ気温の条件下でも、焼け具合はおのずと異なります。
(最近の車両は、コンピューターによる精妙な燃料噴射量の制御により、昔の車両ほど差異が出なくなっているとは思いますが・・)

焼け具合を見るときは、「ある時点を切り取って見ているだけで、それがすべてではない」 ・・・ということを理解しておくと良いでしょう。

とはいえ、普段からエンジンの吹け上がり具合や、「音」、「振動」などに、注意を払っていれば、プラグの焼け具合よりも、こちらの感覚の方がエンジンの微妙な差異をつかみとることができる場合があります。

■ 関連記事 スパークプラグの交換



カーメンテ・DIY改造 TOP
2015年4月3日