上の階層へ移動

役立ちツール・ベスト3

最終更新日: 作者:月寅次郎

持っていると便利な工具


工具セットには入っていないけれども、「持っていると便利な工具」というものがあります。

無くても整備ができないわけではない、けれども、有るとやっぱり便利。というツールの(個人的な)ベスト3です。
  1. パーツトレイ
  2. バイスグリップ
  3. ピックアップツール
整備の経験豊富な方であれば、たいてい持っている工具です。

パーツトレイ(磁石付トレイ)


パーツトレイ
KTC
マグネット付
パーツトレイ

パーツトレイは、実に単純な補助工具ではありますが、持っていると大変便利です。

底部にマグネットが仕込まれているので、お皿自体をいろいろな場所にくっつけて使用することができます。
垂直や逆さまの状態でも使用できますので、車の下に潜った時などは、シャーシの金属部分などにくっつけて使用するとよいでしょう。

もちろん、皿に置いたものもくっつきますので、整備の途中でお皿を動かしても、中に置いたボルトナットがごろごろ動いたりしません。

「お皿を動かしても、中のものは動かない」というところが「ミソ」です。
たったこれだけのことですが、分解時に取り外した順番にボルトナットを置いていくと、組み立て時がぐっと楽になります。

パーツトレイ
はずしたボルトを、「とりあえずその辺りに・・・」と、適当に置いていると、だいたいろくなことがありません。

組み立てが終わると、よく「ボルトが一つ余ってしまう」というような方は、こういったパーツトレイを買ったほうがよいのは明らかなのですが、そういう方に限って、「だいじょうぶ、だいじょうぶ!」と言いながら、行き当たりばったり分解・組み立てをやったりするものです。

きちんと整備に向き合っている方なら、必ず持っている工具の一つではありますが、コレが無いからといって、整備ができないわけではないので、持っている、いないが、別れるツールではあります。

正しい使い方ではありませんが、喫煙者にとっては、整備終了後に灰皿に代用できるのも嬉しいところです。

バイスグリップ(ロッキングプライヤー)

バイスグリップ

IRWIN
バイスグリップ

扱ったことのない人にとっては、「なんだこの工具?」という感じかもしれません。
一見、変わった形のプライヤーのようにも見えますが、バネの力と「てこ」の原理を応用することで、対象物を強固に挟み込むことが可能な工具です。

柄の先端についたネジを調節して「挟む太さ」をあらかじめ調整し、強く握りこむと、ロックが掛かります。一旦ロックが掛かると、手を離しても挟んだままの状態で保持できます。

「挟む太さ」を上手く調整すると、かなりの力を掛けることができます。対象物が柔らかい金属の場合は、バイスグリップの歯型が残ってしまう程です。傷が付くと困る場合は布などをかませてやると良いでしょう。

個人的に、熱固着や舐めてしまってどうにもならなくなったネジの頭を、バイスグリップで挟んではずしたことが何度かあり、「助けられた」感の多いツールであります。


余談ですが、映画「グラン・トリノ」では、この「バイスグリップ」が、画面に登場します。
名優クリント・イーストウッドが、「潤滑剤、レンチ、それにダクトテープ、腕さえありゃ、これだけで家のモノは何でも直せる」と言うシーンがあるのですが、ここで「レンチ」として登場しているのが、実は「バイスグリップ」です。

翻訳の関係上、字幕では「レンチ」となっていますが、英語で「バイスグリップ」と言っているのが、はっきりと聞き取れます。
おそらく、字幕に「バイスグリップ」という馴染みのない言葉を出してしまうと、観客が「???」となってしまうので、不正確な訳であることを承知の上で、あえて「レンチ」としたのだと思います。
だいたい、「レンチ」だけでは、モンキーレンチなのか、コンビネーションレンチなのか、メガネレンチなのか、指している範囲が広すぎて何のことだか判りませんが、少ない文字数でニュアンスを伝えるためにやむを得なかったのでしょう。

バイスグリップは、多用途に使えるすばらしい工具なのですが、悲しいかな、日本人には馴染みが薄い工具なのです

バイスグリップ
上の画像のように、一旦ロックをかけると、手を離してもOKです(対象物を咥え続けます)

万力のような強い力で挟むことができ、手の握力でプライヤーを握った場合と比べると、格段の違いを出すことが可能です

6角形のボルトであれば、専用サイズのレンチが手元になかったとしても、平行面を挟んで固定すれば、緩めるのも締め込むのも思いのままです。
(ただ、力が強すぎてボルトに歯型が残る場合も多々ありますので、メガネレンチやソケットレンチがあるのであれば、そちらを使いましょう)

バイスグリップ
ボルトやナットではなく、平行面の無い円形のネジでも大丈夫です

上の画像のように、一旦咥えこんでしまえば、このままネジを回せます。

プラスドライバーであれば、カムアウトする以上の力を出すことも可能です。
どのくらいの嵌合力があるかというと、この程度のネジであれば、ネジ頭をネジ切れる程度の「咥え力」を出すことが可能です。

ピックアップツール

ピックアップツール

TONE
ピックアップツール
LED付

簡単に済むはずのメンテナンスが、ネジやボルトが思わぬところに落下してしまうことで、突然の難作業に成り替わることがあります。

そういう場合も「ピックアップツール」さえあれば、簡単に解決可能です。
種類としては、マグネットタイプと、マジックハンドタイプがあります。
(わたしが使っているのは、上の画像の磁石タイプの製品です)

マグネットタイプは、当然ながら磁性体のものにしか使えません。

また、エンジンルームの隙間など、磁性体構造物に囲まれた隙間に差し込んで使用しようとすると、意図しない部分にくっついてしまうこともあります。
(上手に狙いを定めて、隙間を通しましょう)

ちなみに高級品のピックアップツールは、このような「予期せぬくっつき」を避けるために、側面への磁力を低減する構造となっている製品もあります。

ピックアップツール
磁石を使用しない「つかみタイプ」は、「マグネットタイプ」に比較すると、きちんと掴ませるのに神経を使いますが、プラスチックやアルミなど、非磁性体のパーツでも拾うことができます。また、重量物にも強いです。

「予期せぬ落下」が発生しなければ使用することもありませんので、よくよく注意して作業していれば、出番も無い工具ではありますが、整備作業というものは、なかなか想定通りに事が運ばないものです。

「つい、うっかり」が少ない熟練者ほど、こういうツールをきちんと用意していたりします。

ピックアップツール

■ 関連記事 「おすすめ工具」とは?  「バラ」と「セット」はどちらが良いか?


DIYカーメンテ に戻る

サイトのトップページ