バッテリーの 種類
密閉型バッテリー (MFバッテリー)
充電時に発生したガスが大気中に開放されず、バッテリー内部で水分として戻るため
補水の必要がない。 と、されているバッテリーのことです。
このため、
バッテリー内の電解液の量を点検する必要がなく、各セルの上部に設けられた穴も、補水用ではなく、初回の希硫酸充填用となっており、開けることができなかったりします。
電解液量の目視点検を想定していないため、内部が見えない色付きのケースを使用していることも特徴です
定義上、MFバッテリー イコール 密閉型バッテリーとは、言い切りにくいのですが、一般ユーザーとしては、同じ物を指していると思っても、差し支えはありません。
MFはメンテナンスフリーを意味しています。
メンテナンスフリーとはいいますが、過度に放電させた場合には、開放型と同様に、充電というメンテナンスが必要になります。
充電の際は密閉型用の充電器を使用する必要がありますが、最近販売している充電器は、ほとんどが密閉型対応になっていますので、よほど古い充電器を使うのでなければ、気にする必要はないでしょう。
MFバッテリーではなくて、SMFバッテリーと表記されている場合もありますが、SMFの"S"は、シールド(密閉)のことですから、基本的には同じ物だと思って差し支えないでしょう。
開放型バッテリー
いわゆる、昔からあるところのバッテリーです。
補水用の水栓があり、電解液量を点検できるように、バッテリケースが半透明になっていれば、開放型だと思って差し支えありません。
液量点検や保水の必要がありますが、MFバッテリーに比較して低価格となっており、お財布に優しいバッテリーです。
ちなみに、開放型バッテリーを揺らしてみると、電解液がケースの中で「揺れる」のを見ることができますが、密閉型の場合は、電解液がスポンジのような保持物質に浸透させた状態で納められているので、「揺れる」ことができません。
バッテリーの性能
バッテリーの性能は、「放電容量」と「始動性能」の二つの側面から見ることができます
それぞれの規格について見てみましょう
バッテリーの「放電容量」 (Ah)
「容量」とは、バッテリーをダムに例えた場合
「どれだけ多量の水を蓄えることができるか。」 ・・・ということです。
バッテリーの持久力と考えて、構わないでしょう。
規格によって計測方法が異なり、下記のようになっています。
ややこしいので、一般ユーザーがきちんと理解する必要はありませんが、「国によって計測の規格が異なるのだ」ということだけ知っていれば大丈夫です。
日・米・独のどの規格も、終止電圧の基準は同じですですが、放電させる際にどれだけの電流を流すかが異なりますので、それぞれの規格を同列に比較しないよう注意しましょう。(とはいえ、ある程度の比較の目安にはなります)
JIS規格 (日本)
摂氏25度:5時間率容量(Ah)
5時間率電流×放電終止電圧10.5Vまでの持続時間
SAE規格 (アメリカ)
RC:リザーブキャパシティ(分)
25A(約摂氏27度)10.5Vまで連続放電した場合の持続時間を分表示したもの
DIN規格 (ドイツ)
摂氏25度:20時間率容量(Ah)
20時間率電流(A)×放電終止電圧10.5Vまでの持続時間
モバイルバッテリーを使っている方にとっては、「mAh」(ミリアンペアアワー)という単位の方が、おなじみかもしれません。
小型のモバイルバッテリーなら5000mAh程度、容量の大きなモバイルバッテリーであれば、10000mAh以上の容量となっています。 (1000mAh = 1Ahです)
バッテリーの「始動性能」 (CCA)
「始動性能」とは、バッテリーをダムに例えた場合
「一度に、どれだけ多量の水を放出できるか。」 ・・・ということです。
バッテリーの瞬発力と思って差し支えないでしょう。
規格によって計測方法が異なり、下記のようになっています。
容量と同様に、一般ユーザーが正確に理解する必要はありませんが、規格の異なる表示を、同列に比較しないよう留意しましょう。
JIS規格 (日本)
低温(摂氏-15度)高率放電時の初期電圧(V)と持続時間(分)
放電電流:150A,300A,500A
SAE規格 (アメリカ)
CCA:コールドクランキング電流(A)
華氏0度で放電した場合、30秒目電圧が7.2Vとなるような高率放電電流
DIN規格 (ドイツ)
CCA:コールドクランキング電流(A)
摂氏-18度で放電した場合、30秒目電圧が9.0Vとなるような高率放電電流
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