アーシングとは、シャーシ等の鋼板を使用しているマイナス側の電気経路に、アーシング用ケーブル(銅線)でバイパス回路を作り、バッテリー直通の低抵抗専用回路を増設することで、電気的なロスを低減させる電装系のチューンナップです。
主にシリンダーヘッドやオルタネーター等に施工し、
パワーやトルク、ライト光量の増大や、燃費の節約を狙います。
通常、自動車の電気経路のマイナス側は、ボディの金属部分に接地され、鋼板を通ってバッテリーに戻ります。
鋼板は金属ですので、電気を通すことができるのですが、電気的な効率で比較すると、銅線の方が一枚上手となります。
そこで、補強したい電気経路を銅線でバイパスさせることにより、電気的なロスを低減させようという理屈です。
チューニングの手方としては、"抵抗を減らし、効率を高める"という部類に入るため
車両のバランスを崩すことなく、デメリットもほとんど無いということができます。
また、
ノーマルの状態に戻すことも容易なため、比較的安心して施工することができます。
ただ、もともとの車体の電気的な効率が高い場合は、アーシングの効果が体感されにくい場合もあり、どの車両でも同じような効果が得られるとは限りません。
また、パワー感の向上はあっても、その分、ついついアクセルを踏んでしまうため、実質燃費が上がっていても「結果としては変化が現れない」という場合もあるようです。
■ アーシングチューンの盲点
アーシングを語る上では
「どの場所に接続するのが効果的か」・・・というのが、重要なポイントではありますが
通常の電装系統の管理に気を配っていなければ、本末転倒となることがあります。
オルタネーターの発電量、バッテリーの状態、主要な電気接点の状態など、電気に関する他の要素が本来の状態でないままにアーシングを施工するのは、あまりオススメできません。
メインアースの接点が良好でない状態でアーシングを行えば、効果が出るのも当然なのですが、それは「元々の状態が悪かっただけ」 …ということなのです。
メインアースやヒューズボックスの接点などは、なおざりにされがちなところではありますが、長期間触れていないようであれば、まずはそれらの接点やメインアースを清掃し、電装系統の導通状態を本来の状態に回復させるところから始めましょう。
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