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ATOTO F7 徹底解説

最終更新日: 作者:月寅次郎

ATOTO F7 徹底解説

atoto F7

このページでは、ATOTO製カーナビのF7シリーズについて解説します。

A6・F7・S8シリーズの違いや、製品番号(型式)の読み方については「ATOTO A6 S8 F7 比較と違い」のページを、
ATOTOナビの第2世代ついては、「ATOTO 第2世代(GEN2)とは?」のページをご覧ください。

● 関連ページ:ATOTO A6 徹底解説

● 関連ページ:ATOTO S8 徹底解説

F7シリーズ - 新モデルの登場で魅力度UP、コスパも最強

F7は、ATOTO製ディスプレイオーディオの中では、最強クラスのコスパを誇っており、価格も実際に安いです。

ですが、安い製品には安いなりの理由があります。

価格的な安さを優先せざるを得ない場合もありますが、その場合は、F7がなぜ安いのか、デメリットや機能の有無、オプションパーツの対応、拡張性などについて、しっかりと把握してからにしましょう。

F7はAndroidナビではない

製品名の最初の2文字が『F7』となっているのがF7シリーズです。

F7シリーズは、OSにLinuxを使用したモデルです。
(LinuxとAndroidの違いについては、「AndroidとLinuxOS」のページで詳しく解説しています)

CarPlay/Android Auto対応ではありますが、AndroidOSではありませんので、A6・S8シリーズのように、Googleプレイストアを通してサードパーティ製アプリを自在にインストールして使うことはできません。

この部分は一つのマイナスポイントですが、そこまでの機能を使用しないのであれば、特段ネガティブに捉える必要はありません。

CarPlayとAndroid Autoに対応しており、ミラーリングも可能であれば、ディスプレイオーディオとしてはおおよそ事足りるからです。

※ 『OSがAndroid』というのと、『android auto対応』とでは、全く意味が異なります。
混同しないよう注意しましょう。

前者はオペレーションシステムを指しており、後者はアプリケーション(対応するアプリ)を意味しています。

F7はATOTO純正ドラレコ非対応

F7シリーズは、ATOTO製ドライブレコーダー「AC-44P2」が使えません。

AC-44P2は、S8とA6には対応していますが、F7には非対応なのです。

ドラレコ装着率が高まってきた現代では、これは、かなり大きなネガティブポイントであり、デメリットの一つです。

ATOTO純正ドラレコのメリット

ATOTO純正ドラレコ「AC-44P2」は、ATOTO製ディスプレイオーディオと接続して使用することを前提として設計されており、セットで使うと、さまざまなメリットがあります。

まず、ドラレコで撮影した映像を、ナビ側の大画面で確認することが可能です。撮影中の状態をそのままモニタリングすることもできます。

ドラレコ本体の、小さなボタンを使って操作する必要もありません。ドラレコの操作は、ディスプレイオーディオのタッチパネルで可能です。

また、ATOTOナビとドラレコの間に、相性問題が発生しません。
ATOTOの純正オプションパーツですので、確実に作動することが保証されています。

何らかのトラブルが発生し、カスタマーサポートに連絡して対処法を尋ねる場合や、自分で対処する場合も、原因の切り分け作業が非常に楽なのです。

そしてこれは装着時の話しですが、わざわざ電源を取りだす必要がありません。
USBケーブルで接続することで、ディスプレイオーディオから電源供給を受けることになり、結線がシンプルになります。

自動車の電源には、常時電源、アクセサリー電源、イルミネーション電源など、さまざまな種類がありますが、どの電源ラインから引っ張ってくるかという、面倒なことに悩む必要もないわけです。

F7シリーズの他の特徴、見逃したくないポイントについては、このページの末尾に書いています。
(下のリンクをタップすると、スクロールせずに、直接ジャンプ可能です)
● 関連項目:F7シリーズ、その他のチェックポイント

ここまで読んで、F7を購入候補から外す場合は…、
ATOTO A6 徹底解説 や、

ATOTO S8 徹底解説 のページに進んでください。

これ以降は、F7シリーズ各機種の詳細解説ですので、F7を買わないのであれば、無理に読む必要はありません。

ATOTO F7シリーズ 比較一覧表

こう言っては何ですが、ATOTO製品の説明表示は、極めて判りにくいです。

日本語のローカライゼーションが不十分なため、製品ごとの特徴が分かりづらく、外見も似ているため、どれがどの製品なのか、混乱しがちです。

そこで判りやすいように、ひとつひとつの製品をチェックして、比較一覧表を作ってみました。

下に掲載しているのは、筆者が独自に調査してまとめた「F7シリーズの比較一覧表」です。
(転載禁止です)

ATOTO F7シリーズ・製品スペック一覧
モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
F7
WE
F7G2A7WE 7in1024
x600
I
P
S
物理非公開
F7G2B7WE タッチ
F7G209WE 9in1280
x720
F7G211WE 10in
F7
XE
F7TYC7XE 7W1024
x600
Q
L
E
D
物理
F7G2A7XE 7in
F7G110XE 10in1280
x720
F7G211XE タッチ
※ 『操作』の「タッチ」は全面タッチパネルを意味し、「物理」は物理ボタン付きのモデルを指します。
※ サイズは画面サイズを意味します。7in = 7インチ、10in = 10インチ、7W =7型ワイド
※ 『WE』 = Wireless Edition(ワイヤレスエディション)
※ 『XE』 = Extreme Edition(エクストリームエディション)

上の表だけでも、自分に合ったディスプレイオーディオを絞り込める人もおられるとは思いますが、そういう方はどちらかというと少数派だと思います。

この表を踏まえた上で、改めてF7シリーズのおすすめモデルはどれなのか、探ってみましょう。

F7シリーズのおすすめは?

おすすめしにくいモデルを除外してみよう

まずは、おすすめしにくいモデルを除外してみましょう。

「これはちょっと…。」という機種を一つ一つ外していって、最後に残るのが「本当のおすすめモデル」です。

全部読むのは面倒なので、おすすめモデルだけを見たいという場合は、このページを後ろの方から読むか、下のリンクをタップして下さい。

(スクロールせずに、直接ジャンプ可能です)
● 関連項目:『WE』モデル(最後に残ったおすすめ機種)

● 関連項目:F7G209WE - 待望の9インチF7モデル

F7G110XE - 古さが隠せないG1(第1世代)

atoto F7G110XE

モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
F7
XE
F7G110XE10in1280
x720
QLED物理非公開

ATOTO
F7G110XE

(第1世代)
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

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F7G110XE『GEN1』であり、ATOTOの第1世代モデルです。

「F7G110XE」は、現在販売が確認されている唯一の『G1』モデルです。
「F7G110XE」のamazon登録日は「2020年8月7日」との記載が見られます。GEN2は2021年2月以降と規定されていますので、ここからも第1世代であることが判ります。

筐体が背面側に大きく張り出した、旧態依然としたスタイルをしています(現代的なタブレットスタイルではありません)


最新機種が続々と登場している原状を考えると、はっきり言っておすすめのモデルとは言えません。

調査したところ、原状で販売中のサイトもありますが、すでに「在庫なし」となっている通販サイトも多々見受けられます。
恐らくそう遠くないうちに、在庫切れとなるか、販売停止となるものと予想されます。


F7シリーズの中で、真っ先に除外すべきは、この「F7G110XE」です。

ATOTO F7G110XE(amazon 商品ページ)

ATOTO F7G110XE(楽天で安い順に検索)

● 関連ページ:ATOTO 第2世代(GEN2)とは?
(G2/第2世代以外のモデル解説あり)

F7TYC7XE - 7型ワイドで装着車種が限られる

atoto F7TYC7XE

モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
F7
XE
F7TYC7XE7型
ワイド
1024
x600
QLED物理非公開

F7TYC7XEは、7型ワイド(7V型)の開口部に収まるように作られたカーナビで、「トヨタ車用」として発売されているものです。
(公式説明には、「205mm x 104mmダッシュボード開口部を備えた特定のトヨタモデルと互換性があります」とありますが、実際はトヨタ車だけでなく、ダイハツ・日産にも適合車種があります)

『F7TYC7XE』は(7型ワイドの車種であれば)パネル開口部の隙間調整など、特別なインストール作業をする必要がなく、取り付け後のフィット感も申し分ありません。

また、手探りでも操作しやすいボリュームノブが付いています。
音量や曲送りがボタン操作ではなく、操作しやすい回転ノブというのがポイントです。ステアリングリモコンが無くとも、これなら視線は道路に向けたままで、手探り操作が可能です。

ハイエースやプロボックス、ハイゼットなど、商用使用の車に装着する場合には良い選択となり得ます。

一方で、インパネ開口部が7V型ではない車種には、不適合となります
横幅が広すぎるため、一般的な2DIN開口部には収まらないのです。

そういう意味では、装着車種が限定されるモデルです。
7V型装着車であればこのモデルを選択するメリットがありますが、それ以外の大多数の車種の場合、205mmのダッシュボード開口部が必要とされるため、装着自体が難しくなります。

そのような理由で、このモデルは、一部の車種にしかおすすめできません

ATOTO F7TYC7XE(amazon 商品ページ)

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● 関連ページ:画面サイズと解像度(ディスプレイオーディオ)
(ページ下部に、7V型の具体的サイズを記載しています)

残った6機種のF7シリーズ、改めて検証

『F7G110XE』と『F7TYC7XE』を除外したことで、残ったのは6機種となりました。

さきほどの一覧表も修正して、残った6機種だけにしてみましょう。

前の一覧表では、シリーズごとに並べていましたが、今度は比較しやすいように、液晶画面サイズで並べてみます

モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
WE F7G2A7WE 7in1024
x600
IPS物理非公表
XE F7G2A7XE QLED
WE F7G2B7WE IPSタッチ
F7G209WE 9in1280
x720
F7G211WE 10in
XE F7G211XE QLED

かなり整理されてきましたね。

見てわかる通り、7、9、10インチの画面サイズで、ざっくりと3種類に分けることができます。

さらに、 全面タッチパネルか、物理ボタン付きモデルかを決めてしまえば、ほぼ最適モデルが定まります

取付の容易さで7インチを選択するか、大画面の見やすさを優先して10インチモデルを選択するかは、その人次第です。
筆者のように、中間に位置する9インチモデルを選ぶのも良いでしょう。

取付作業をプロに任せるか、自分でDIY装着するかでも判断が分かれます。DIY装着の場合は、車の電装関係の知識や技量にも左右されます。

ですので、「どの画面サイズがベストか?」については、「その人の個別の判断」で構いません。

とすると残るのは、QLEDパネルのWEモデルと、IPS液晶のXEモデルの、どちらを選ぶのが良いか?という問題です。

● 関連ページ:画面サイズと解像度(ディスプレイオーディオ)
7、9、10インチの実寸サイズの紙を使い、実車に合わせてサイズ感が判るようにしています。

『WE』と『XE』の意味

『WE』モデルは、Wireless Edition(ワイヤレス版)という意味です。

『XE』モデルは、Extreme Edition(エクストリーム版)という意味になります。
※ 双方のモデルの見分け方ですが、製品型式の末尾の2桁を見ます。これが「WE」か「XE」かで識別可能です。

『WE』で、わざわざ「ワイヤレス」と強調しているのは、以前のF7シリーズは有線接続のみの対応であり、CarPlay/Android Autoの無線接続ができなかったためです。

現行販売されているF7シリーズは、どれも無線接続に対応しているため、わざわざワイヤレスと謳うのは妙に思えるかもしれませんが、実はこのような背景があります。

逆に言うと、以前のF7シリーズは、有線接続しかできないモデルが多かったため、A6/S8シリーズに比べると人気が無かったのですが、F7がワイヤレス化されたことで一気に魅力度が増しました。

補足
Extreme(エクストリーム)とは、「極端」や「過激」という意味ですが、これはあまり気にすることはありません。
決して極端でも過激でもありません、単なる「F7シリーズにおける上位モデル」でしかありません)

ATOTOには、他にもPro、Premium、Ultraといった呼称がありますが、ものによっては搭載メモリとストレージ量くらいしか差の無いモデルもあります。

このように、ATOTOのモデル呼称は、必ずしも製品内容を正確に表現しているとは言えません
(はっきり言ってしまうと、ネーミングとしてはかなり適当です)

『WE』と『XE』の違い

『WE』と『XE』の違いが明確になれば、どちらを選ぶべきかも自ずと明らかになります。

改めて『WE』と『XE』を比較し、どこに違いがあるの調べてみましたが、結局のところ使用している液晶タイプが違うのみであり、他にこれといった相違点は見当たりません。

『WE』は一般的なIPS液晶を使用しているのに対し、『XE』は量子ドットによって光の波長を変換するQLEDを採用しています。

このため、XEの方が上位モデルであり、WEはエントリーモデルという位置づけです。

なお、QLEDの採用のXEモデルの方が高めの価格設定となっていますが、その差異は決して大きなものではありません。

QLEDとは?

QLEDディスプレイは、「量子ドット液晶」とも呼ばれ、色の再現性に優れたディスプレイです
(QLED : Quantum Dot Light Emitting Diode)

一般的な液晶のように、フィルターで色を変えるのではなく、量子ドットと呼ばれるナノメートルサイズの粒子によって、光の波長そのものを変換する方式のため、光量ロスが少なく、ピュアなRGB色を生み出すことが可能です。

テレビ製品においてもQLEDパネルを採用しているのは、まだ一部の機種に限られていますが、これをディスプレイオーディオにいち早く組み込んでしまうのが、ATOTOの恐ろしいところです。

QLEDテレビについて
QLEDパネルを採用しているテレビについて調べてみましたが、(2023年春時点では)まだそれほど普及していません。

そもそもQLEDパネルの製造技術を有しているメーカー自体が少ないのです。
(韓国Samsung、中国BOEが製造しています)

amazonのテレビカテゴリーで 「QLED」を検索してみると判りますが、QLEDパネル搭載のテレビは、一部のメーカーに限定されています。

世界のテレビマーケットにおけるシェアは、1位がSamsung、2位はLG、3位は中国のTCLとなっていますが、このうちの1位と3位である、SamsungとTCLがQLEDテレビを採用しています。

LG電子はOLED(有機EL)推しですので(今のところ)QLEDパネルは採用していません。
(※ シェアは金額基準で、2022年上半期の集計です)

QLEDディスプレイ採用の『XE』モデル

『XE』モデルは、QLEDディスプレイ採用により、高い色再現性を持っています。

このようなディスプレイを採用した車載ユニットは、F7シリーズでは『XE』、S8シリーズでは『PM、PR、UL、UP』が該当しますが、競合他社でQLEDを使用しているモデルは、まだあまり見られません。

そういう意味では魅力的とも言えるのですが、地図を表示するのにそこまでの色再現性が必要かというと、はなはだ疑問です。

運転中のカーナビ用途、音楽の曲名表示、各種情報を表示するためのディスプレイとしては、IPS液晶でも必要にして充分です
(筆者が使っているA6PFもIPS液晶ですが、非常にきれいです)

※ 車内エンターテイメント性を重視したい場合は、この限りではありません。

運転中のマップ表示よりも、駐車時の車内快適性を重視したい場合は、積極的にQLEDモデルを選択しましょう。

それでは改めて、XEモデルの2機種を見てみましょう。

F7G2A7XE - 7インチのQLED液晶モデル

atoto F7G2A7XE

モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
F7
XE
F7G2A7XE7in1024
x600
QLED物理非公開

「F7G2A7XE」は、「F7 XE」の7インチ画面モデルです。

同じ7インチのワイヤレスモデル(WE)である「F7G2A7WE」をQLEDディスプレイに変更した製品と言うことができます。

筐体も同じものが使われており、全く同じ外観をしています。

7インチ液晶で、物理ボタン付きのモデルです。
「F7G2A7WE」との価格差はそれほど大きくはありませんので、(そのあたりが気にならないのであれば)これはこれでおすすめです。

ATOTO F7G2A7XE(amazon 商品ページ)

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F7G211XE - 10インチのQLED液晶モデル

atoto F7G211XE

モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
F7
XE
F7G211XE10in1280
x720
QLEDタッチ非公開

「F7G211XE」は、「F7 XE」の10インチ画面モデルです。

こちらも同様に、「F7G211WE」をQLED液晶に変更したモデルと言えます。

商品イメージ画像では、嵌め込み合成の液晶画面に異なるイメージが使用されていますが、筐体自体は同じものですので、実物の外観は同じです。

10インチ液晶で、全面タッチパネルのモデルとなっています。
「WEモデル」との価格差はわずかですので、これはこれで魅力的な機種ではあります。
※ 実売価格は日々変動します。
上では「価格差はわずか」と書いていますが、価格が変動して価格差が開くときもあるものです。

現在の実売価格については、左上に表示されている価格を確認してみて下さい。
広告機能を利用して価格と商品画像を表示しています。実売価格が表示されない場合は、広告ブロッカーをOFFにしてみてください。
他ページにおいてもそうですが、アドブロックを解除することで実売価格が一目で把握できます。
(ATOTO製品の価格競争力の凄さも、よく判ります)

ATOTO F7G211XE(amazon 商品ページ)

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『WE』モデル(最後に残ったおすすめ機種)

これまで長かったですが、最終的に『F7 WE』が残りました。

F7シリーズの中で、月寅次郎のおすすめは『F7 WE』の4モデルです。

モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
WE F7G2A7WE 7in1024
x600
IPS物理非公表
F7G2B7WE タッチ
F7G209WE 9in1280
x720
F7G211WE 10in

F7G2B7WE - 7インチ+全面タッチパネルモデル

atoto F7G2B7WE

モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
F7
WE
F7G2B7WE7in1024
x600
IPSタッチ非公開


まず、7インチの場合は「F7G2B7WE」がおすすめです

ATOTOナビの7インチモデルは、これまで物理ボタン付き+前面端子装備のモデルが多数を占めており、現代的な全面タッチパネルモデルは数少ない存在でした。

「F7G2B7WE」は、(7インチの中では)数少ない全面タッチパネルモデルです。
(追記:ラインナップが拡充され、現在では後述のように3モデルが存在します)

前モデルに相当する「F7G2A7WE」とは、スペック的にほぼ同じであり、ボタンと端子の違いくらいしかありませんが、このような「7インチ+物理キー無し」の構成を望んでいた方は多いでしょう。

物理ボタンが付いていないため、外観もスマートで、物理的な接触不良による経年不良も生じません。
そういう意味でもおすすめのモデルです。

ATOTO F7G2B7WE(amazon 商品ページ)

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追記:「7インチ+物理キー無し」は現在3モデル

ATOTO製品のラインナップが拡充され、「7インチ+物理キー無し」のモデルは…
  • F7シリーズの「F7G2B7WE」
  • A6シリーズの「A6G2B7PF」
  • S8シリーズの「S8G2B74PM」
…の3モデルとなりました(2023年4月現在)
一覧表にすると下のようになります

ATOTO 「7インチ+物理キー無し」のモデル一覧
モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
F7
WE
F7G2B7WE 7in1024
x600
IPSタッチ非公開
A6
PF
A6G2B7PF QLED2G+
32G
S8
PM
S8G2B74PM QLED3G+
32G

「CarPlay/Android Auto対応であれば、アンドロイドナビでなくても構わない」という場合は、価格の安い「F7G2B7WE」がおすすめです。

「やはりアンドロイドナビが良い」という場合は、「A6G2B7PF」か「S8G2B74PM」のどちらかになります。

この2つのモデルですが、相違点はさほど多くはありません。
パネルは同じQLEDですし、CPUも同じで、異なるのはメモリ容量と仮想アラウンドビュー対応の可否くらいです。

あまりこだわらないのであれば、「A6G2B7PF」でも充分かと思います。

F7G211WE - 10インチモデルで高コスパ

atoto F7G211WE

モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
F7
WE
F7G211WE10in1280
x720
IPSタッチ非公開

10インチモデルの場合は「F7G211WE」がおすすめです。
1280x720画素、IPS液晶、全面タッチパネル操作で、前面端子の無いモデルです

7、9、10インチの、どの画面サイズを選ぶかについては(前述のように)ユーザー次第です。
(ご自分の車とのサイズ感、スイッチとの干渉具合、取付技量などを勘案してお選び下さい)

F7 WE」は、CarPlay/Android Auto対応のディスプレイオーディオの中では、最強クラスのコスパを誇ります。

余計な機能は必要ない。その分安い方が望ましい」という方には、ぴったりの機種です。

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F7G209WE - 待望の9インチF7モデル

atoto F7G209WE

モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
F7
WE
F7G209WE9in1280
x720
IPSタッチ非公開

9インチのF7G209WEは、おすすめです

7インチモデルは、画面サイズと解像度が共に小さいですので、マップ表示域が狭まりがちです。結果的に、自車位置の把握もしにくいものです。

一方、10インチだと大きすぎて、エアコン吹き出し口やハザードスイッチに干渉してしまう場合があります。
車幅の狭い軽自動車ですと、特にその傾向が高まります。

ATOTOの9インチは、解像度は10インチモデルと同じ1280x720画素でありながら、サイズを小さく抑えた絶妙なサイズ感となっています。

F7シリーズで9インチモデルが欲しい場合は、このF7G209WEしか選択肢がありません。

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ATOTO 9インチモデル、F7以外では?

atoto A6G209PF

A6シリーズには、A6G209PFという9インチモデルがあります。
(IPS液晶で解像度は同じです。恐らくF7G209WEと全く同じパネルが使用されています)

9インチ液晶のAndroidナビでしたら、このA6G209PF一択です。
(筆者が使用しているのがこのモデルです。S8シリーズには9インチモデルがありません)

同じ9インチでも、Linuxナビで構わない場合や、コストを抑えたい場合は、このF7G209WEです。

ATOTOの9インチモデルは、現状でこの2製品しかないため、他に選択肢が無いのです。

ATOTOとしては、9インチモデルのラインナップ拡充を計りたいのでしょうが、それをやらないところを見ると、恐らくこの9インチIPS液晶の生産能力が限られており、商品供給能力との兼ね合いを図っているものと思われます。

これは言い換えると「製品在庫がある時に、確実に購入した方が良い」とも言えます。
液晶パネルの供給がとどこおれば、ディスプレイオーディオの生産ができず、長期間「在庫なし」の状態が続くことがあります(ATOTO製品では、たまにそういうことが発生します)

ATOTO A6G209PF(amazon 商品ページ)

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F7シリーズでWEモデルがおすすめの理由

F7シリーズの『WE』モデルは、ATOTOナビの中では最強クラスのコストパフォーマンスを誇っています。

『XE』もコスパの高さは充分であり、国内メーカーのカーナビと比較した場合は、極めて高い優位性を持ち得ますが、『WE』モデルは、更にその上を行く凄まじさです。

まさに、ディスプレイオーディオの価格破壊モデルです。国内カーナビ業界内で、事業縮小するメーカーが出かねないほどに激安です。
(実売価格は右側に表示が出ますので、実際に確認してみて下さい。商品画像と価格が表示されない場合は広告ブロッカーをOFFにしてみてください)

『WE』はIPS液晶ではありますが、充分に美しい映像表現力を有しており、何の不満も出ないでしょう。

何かあるとしたら、表面にザラつきのないツルテカ仕様ですので、日光が写り込んだ場合に反射して見にくいことがありますが、それはQLED機種でも同じです。
(アンチグレアの保護フィルムを貼れば、対策も可能です)


インチあたりの画素数が違う場合は、投影可能なマップ範囲に差が出るため、検討の余地がありますが、WEもXEも解像度は同じです。

そのため、無理に高額なQLED液晶モデルを選ぶ必要はありません。
最強コスパの『F7 WE』がおすすめです。

ここでは、全面タッチパネルモデルである、F7G2B7WE(7インチ)と、F7G209WE(9インチ)、F7G211WE(10インチ)を挙げましたが、前面端子付きの7インチモデルであるF7G2A7WEも継続販売されています。

F7G2A7WE - 物理ボタン付きの旧モデルも継続販売中

atoto F7G2A7WE

モデル型式サイズ画素数液晶操作容量SIM
F7
WE
F7G2A7WE7in1024
x600
IPS物理非公開

7インチ画面で、前面端子+物理ボタン付きのF7G2A7WEは、F7G2B7WEの前モデルに相当します。
(F7G2B7WEと、かなり被っているモデルですが、こちらも継続販売中です)

「前面にUSB端子やAUX入力端子があった方が使いやすい」という方は、この手のモデルが良いですが、そういう方はどちらかというと少数派だと思います。

有線接続は次第に廃れてきており、AUX入力でケーブル接続し、音楽再生させることも少なくなりました。
そのためATOTOは、前面端子型筐体から全面タッチパネル型筐体へと切り替えを進めています
(10インチモデルに関しては、全面タッチパネルモデルがほとんど出揃いましたが、7インチモデルに関しては、2023年上半期現在で「ちょうど切り替わり中」という感じで、まだまだ前面端子モデルが多数存在しています)

既に無線接続が時代の趨勢となっていますので、ATOTOナビのラインナップも、将来的には全面タッチパネルモデルが殆どを占めてくるものと思われます。
(逆に言うと、「前面端子が無いと困る」という方は、生産終了となる前に、早めに確保しておいた方が良いでしょう)

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F7シリーズ、その他のチェックポイント

F7シリーズは、LinuxOSがベースです。

そのため、Googleプレイストアからサードパーティ製アプリをインストールして使用することができません。

この点がAndroidOSであるA6・S8シリーズとの最大の相違点だと思われますが、他にもいくつのポイントがあります。

1.5Aの急速充電可能

筆者が購入したA6G209PFは、充電電圧が500mAという弱小仕様でした。
(A6G209PFには概ね満足しており、良い買い物だったと思いますが、この部分だけはク●です。ダメです。設計ミスとしか思えません)

そのため、急速充電ができないばかりか、消費電力と充電する電力が拮抗し、ほとんど充電が進まないという事で結構悩みました。

最終的に、ATOTOのカスタマーサポートに確認を取ったところ、これが『製品の仕様』であり、解決不能な問題であることが判明しました。

F7/WEモデルは、1.5Aの充電能力を持っており、このような充電不能の事態に陥りません。(ワイヤレス接続ではなく)有線接続した場合には、余裕を持って充電することが可能です。
(2023年10月時点の情報です。WEモデルも徐々にラインナップが拡充しています。実際の購入時には、自分の目できっちり確認しておきましょう)

F7シリーズ以外のモデルを選択する場合でも、有線接続時の充電能力はチェックしておきましょう。
1.5Aあれば充分ハイパワーです。1.0Aで実用クラスとなり、500mA以下ですとパワー不足でほとんど充電できません。1時間充電しても5%前後しか上がりません。
(500mAでも、スマホを使用しない状態で充電する場合は、時間をかければ充電可能ですし、逆にバッテリーには優しいとも言えるのですが、ディスプレイオーディオと接続し、ナビアプリを稼働させながら充電するにはパワー不足です)

充電能力に不足があると、スマホのバッテリー残量が乏しい状態で車に乗っても、目的地に到着するまでの間に充電・復活させることができません。

※ 解決法としては、ディスプレイオーディオとは無線接続を行い、充電に関しては別途ハイパワーのUSBチャージャーや、 車用のマグセーフ充電ホルダーQi充電の車載ホルダー を使用することで、この問題を回避可能です。

F7、高速2秒起動ができない

A6・S8シリーズは高速2秒ブートが特徴であり、大きなメリットの一つです。

車に乗り込み、電源を入れると同時に、極めて高速にシステム再起動が行われ、約2秒後にはディプスレイオーディオが操作可能となります。

※ 筆者のA6G209PFでも計測しましたが、本当に約2秒で立ち上がります。
※ ディスプレイオーディオを一週間起動させなかった場合、システムがディープスリープモードに入ります。この状態に入ると、2秒以内に立ち上がることはありません。
(仕様です。車のバッテリーを保護し、バッテリー上がりを防止するためでもあります)

このあたりは、パソコンにおける『スリープ状態からのリブート』と、『電源を落とした状態からの電源投入(システムの完全最立ち上げ)』をイメージすると判りやすいかと思います。


ATOTO製品の売りの一つである『高速2秒起動』ですが、F7シリーズはこれができません。
OSがLinuxですので、システム起動時の作動がパソコンやサーバーと同様であり、やや遅いのです。

この「F7シリーズ、2秒ブートができない件」は、ATOTO販売ページのどこにも書かれていません。

A6/S8シリーズに関しては、「2秒で起動!」と大書されていますが、F7シリーズの起動時間に関しては何も記載がないのです。
記載がないため、これに気づいていない人も意外に多いようです。
販売ページの上から下まで目を通し、「起動時間に関する記載がない」という事実に気づくまでは、分からないようになっています。
なお、システムの起動にかかる時間と、システムが起動した後に、CarPlay/AndroidAutoが接続に要する時間は、異なります(気をつけましょう)


2秒起動はS8だけに(追記:2024年2月15日)

「A6・S8シリーズは高速2秒ブートが特徴」と書きましたが、現在では、2秒起動が可能なのはS8だけとなっています。(2023年12月調査)

2022年頃は、A6の商品説明にも「高速2秒ブート」との表記がありましたが、いつの間にかその表示が無くなっています。

そもそも、A6のCPUパワー(SoCチップの周波数速度)では、「ギリギリ2秒で、なんとか起動」という感じではありました。
(2022年頃に、A6G209PFの起動速度を測ったところ、ほぼ2秒だった覚えがあります)

そこに、後からファームウエアを重ねた事により、アプリケーション全体が重たくなってきたようで、A6に関しては「2秒以内に確実に起動可能」とは、言いづらくなってきています。

ナビもスマホと同様に、サクサクと快適に作動することは、重要なポイントです。
起動にかかる時間も、速いに越したことはありません。

そのあたりにもこだわりたい場合は、高速なSocチップを採用している、S8シリーズを選びましょう。
A6もそこそこ優秀ですので、S8にしたからといって、いきなり爆速になるわけではありませんが、車に毎日乗るのであれば、それだけの価値はあるというものです。

ATOTO S8 徹底解説

接続ハーネス
ナビと車両を接続するハーネスについては、下記リンク先をご覧ください。
自作方法、専用ハーネス、ダイレクト接続ハーネスの3種類について解説しています。

● 関連ページ:カーナビ専用ハーネスの自作

● 関連項目:専用ハーネス(自作が苦手な人は素直に買いましょう)

● 関連項目:ダイレクト接続ハーネス(接続簡単。トヨタ用、日産用など、各車種ごとのリンク集あり)


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