使用後レビュー(Carplayナビ、メリットは大きい)
アンドロイドカーナビ(ディスプレイオーディオ)は、従来の地図内蔵型カーナビと比べると、価格が安く、コスト的なメリットは素晴らしいものがあります。
また、
チップセット(CPU等)やメモリ搭載量も、従来品と比べると強化されており、スマホを操作しているかの様にサクサク動きます。
マップは常に最新の状態ですので、新しく完成した商業施設や、通行止め等の道路状況も、速やかに反映されるのも良いところ。
目的地の入力も簡単で、乗車後すぐに発進させられるのが好印象です。
他にもさまざまなメリットがあり、カーナビの新時代到来を予感させます。
カーナビゲーションの時代は変わったというのを実感させられます。正直、買って良かったです。もう従来型のメモリーナビ(地図内蔵型ナビ)には戻れません。
このページでは、CarPlay対応のアンドロイドカーナビ「ATOTO A6PF(A6G209PF)」を使用した感想(レビュー)を紹介するとともに、
GoogleナビとYahooカーナビのそれぞれの良いところと、使い分け、
さらに、アンドロイドカーナビのデメリット、中国製ディスプレイオーディオのデメリットについても解説します。
アンドロイドカーナビ A6PFのメリット
アンドロイドカーナビである「ATOTO A6PF」を実際に使ってみて、メリットとして実感したものを列挙してみましょう。
ATOTO
A6 PF
A6G209PF
9インチ
AndroidAuto
CarPlay対応
ATOTO
S8 Premium
S8G2114PM
10インチ
AndroidAuto
CarPlay対応
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スマホとの接続を前提としており、スマホ連動性が非常に優れている。(まさに現代的)
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サクサクと動作し、あたかもスマホかタブレットでも操作しているかのよう。反応が速く、ストレスを感じない。
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価格競争力が非常に高い。従来型の多機能カーナビは20万円前後の価格だったりするが、A6PFシリーズなら実売3.0~3.5万円程度。比較にならないほどに安く、コスパ最強。
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鮮明でクリアな映像は、見ていて気持ちが良い。
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タッチパネルは感圧式でなく静電式。このため、操作の際に液晶画面を押す必要がなく、軽く触れるだけで素早く反応する(経年劣化による抵抗値変動と、それに伴うタッチ位置ずれが原理的に発生しない)
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起動が早い。エンジンかければ即起動(公式には2秒とされている)
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Wi-Fi・Bluetoothに対応。ネットに繋げてプライムビデオやYouTubeを視聴可能。
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本体価格が安いため、最新機種への買い替えも容易。
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約1kgで軽い、車体重量の軽減に寄与(それまで装着してた従来型ナビは3.3kg)
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省スペース、奥行き極小のため、ケーブル類を無理に押し込む必要がなく、設置時に余裕をもって配線処理可能。
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ファームウエアが更新可能で、バグがあった場合でも修正される可能性が高い。
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走行しながら携帯電波の電界強度をモニタリングできる(後述)
Androidカーナビ、カーナビアプリ使用時のメリット
ATOTO
A6G209PF
KENWOOD
DRV-EM4700ドライブレコーダー
(ミラー型)
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地図は常に最新状態。新設の道路、新しい商業施設も速やかに反映される。従来型ナビのように、年一回しかない地図更新の通知を待つ必要はない。しかも無料(ここ重要)
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GoogleナビもYahooカーナビも、常に研究開発を怠らずアップデートを続けており、今後もさらなる改善が期待できる。一方従来型カーナビは、発売時点で進歩が止まる(購入後は古くなるだけの骨董品)
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大規模商業施設などでは、ナビ側が駐車場出入口を把握しているため、(目的地を駐車場にしておけば)駐車スペースまでスムーズに誘導してくれる(従来型カーナビでは、目的地付近で案内が終了するため、入口や駐車場が判らず、目的地付近でうろうろする事がありがちだった)
また、降車後の徒歩移動が必要な場合は、移動部分が点線で表示され、実にわかりやすい。
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家を出る前や店を出る前など、乗車前にスマホ側でナビアプリを起動し、目的地選択やルート設定を行っておけば、乗車後に操作を行う必要がなく、エンジン始動後すぐに出発できる。(Bluetoothなら自動で接続、有線接続の場合でもケーブルを繋ぐだけ)
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駐車エリアから道に出る際の進行方向ミスが少ない(地理的に不案内な場所に行った際に、非常に有効)
従来型カーナビでは、乗車・エンジン起動後にGPSが作動し、現在位置の把握を開始するため、駐車エリアから道路に出るまでの短時間・短距離の間に正確な方位認識が完了しないことが多く、車両の向きと方位が合わず、道に出る際の進行方向が当てにならない事が多々あった。
前述のように、車両乗車前からスマホ側ナビアプリを稼働させていれば、さらに精度は高くなる。
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大画面のため、地図は広範囲を一度で見渡せ、ナビゲーション時にわかりやすい。(9~10インチ画面の場合)
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表示エリアに余裕があるため、タッチボタンの面積が広く、表示される文字も大きい。老眼の場合でも視認しやすい。視野の端でチラ見している状態でも、押し間違いが出にくい。
(走行中に操作するのは安全上好ましくないが、そのような状態でも操作しやすい)
Googleナビを使用した場合のメリット
コムテック
HDR360G
ドライブレコーダー
360度全方向対応
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自宅PCやスマホで登録した地点や、事前に検索した施設名称等が、そのままナビ側でも反映されるため、目的地設定が極めて簡単(目的地を選ぶだけで入力する必要がない)。音声入力も認識力が高く、目的地を素早く設定可能。
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曲がる交差点に近づくと、自動で縮尺が変更されて拡大表示となる。交差点を過ぎると自動で縮尺が戻り、広範囲が表示される。(これが実に使いやすい)
スマホのGoogleナビではこのような縮尺切り替えはなされないが、これは恐らく表示画面のサイズによって最適な表示を切り替えているのだろう(スゴイぞGoogleナビ!)
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音声案内をする/しないをワンタッチで切り替え可能。道がおおよそ判っている場合は、音声案内をオフにしておくと音楽再生が途切れないので非常に快適
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次に曲がる交差点名、所要距離、曲がる方向が、視認性の高い文字情報で常時表示されているため、音声案内をOFFにしていても、ナビゲーションが充分可能。
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目的地を入力、検索する際のヒット率がピカイチ(他の追従を許さない)。
名称があやふやだったり、ひらがな・カタカナ、日本語・英数字など、表記文字の不正確さは、ある程度Google側が吸収・認識して候補を挙げてくれる。(Googleの検索力が、そのままナビ目的地の検索に生きている。さすがGoogle先生!)
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CarPlay/Android Auto接続とすることで、スマホ側ディスプレイがOFFとなる。
これによってスマホの発熱、電力消費が幾分抑えられ、スマホバッテリーの劣化も少なくなる。
(Androidナビを導入するまでは、スマホ単体でGoogleナビを使用していましたが、発熱量はかなりのものがありました。CarPlay+Androidナビの組み合わせですと、スマホもたいして発熱しません)
GoogleナビとYahooカーナビ、どちらを使う?
ATOTO
S8 Pro
S8G2104PR-A
10インチ
AndroidAuto
CarPlay対応
交差点に近づいた際、どこまで近づいた時点で案内を始めるかというのは、各ナビで差異がありますが、GoogleナビもYahooカーナビも、そのあたりはよく研究されているようで、あまり戸惑うこともなく、適切な位置で音声案内を出してくれます(このあたりは同等と言って良いでしょう)
よく指摘されることとしては、案内音声の自然さではYahooカーナビが優っています。
(この点に関しては、近年Googleナビ側の改善が著しく、不自然さはほとんど感じられなくなりました)
また、高速道路走行時の表示の優秀さでは、Yahooカーナビに完全に軍配が上がります。
このあたりは日本国内におけるローカライズの優劣がそのまま出た感じです。
とはいっても、これはあくまでも現時点での話です。
Google日本法人も、この点で後塵を拝していることは認識済みでしょうから、遅かれ早かれ対策を講じて、同等の域まで仕上げてくるでしょう。
先行者のやり方を参考にして、後からやってきた資本力の優れた会社が、バッチバチに仕上げたものをリリースして先行車を駆逐してくのは、IT業界あるあるです。
また、目的地検索の優秀さではGoogleナビに一日の長があり、かなりマイナーな名称でも、しっかりと候補地を上げてきます。
PCやスマホとの地図連携も優れており、事前にGoogleマップに登録しておいた目的地をナビ側で指定すれば、簡単に目的地登録が可能です。
Googleナビの特徴として、音声案内がワンタッチでオフにできることや、交差点進入時の縮尺自動対応がありますが、このあたりは実に良くできています。
上の画像のスピーカーマークが赤く表示されていますが、これが音声案内オフの状態です。
スピーカーマークをタップすることで、音声案内のオンオフがワンタッチで切替可能です。
Googleがゼンリンと契約解除した2019年は、GoogleMapがダメになったと非難轟々でしたが、今ではそんなことを言う人は誰もいません(皆忘れているくらいです)
Googleナビは、「車で通行するのが躊躇されるような細い道を平気で案内する」とも言われていましたが、それもかなり改善されてきた印象を受けます。
そう、重要なのは、今現状でどちらが優秀かではなく、これからどちらの開発力が上回っていくかです。
人と金との経営資源をどれだけつぎ込み続けられるかです。
常に研究開発を怠らず、アップデートを続け、出てくるバグを潰しまくる資金力と体力のある方が、最終的なシェアを獲得します。
個人的には、Googleナビの「ワンタッチ音声オフ機能」と「GoogleMap(PC)との連携」、「自動縮尺調整機能」のメリットが大きいため、
高速道路以外ではほぼGoogleナビ一択となっています。
高速道路ではSAやPAの表示が判りやすいため、Yahooカーナビを使うこともありますが、それ以外はGoogleナビを使用しています。
ATOTO
S8 Standard
S8G2A74SD
7インチ
AndroidAuto
CarPlay対応
Yahooカーナビのメリットの一つに、駐車位置の自動保存というものがあります。
自動車を駐車して車外に出ると、「ピロリン」と通知が鳴って、「現在地を駐車位置に保存しました」と表示が出ます。
普段あまり行かないような、大型ショピングセンターのパーキングエリアに駐車した場合など、帰る時に
自分の車を探すのに苦労する事がありますが、GPSで正確な駐車位置がスマホ側に記録してあると、車探しに困る事はありません。
スマホのナビアプリならではの機能ですが、時々便利だなぁと思う時があります。
アンドロイドカーナビのデメリット
パイオニア
カロッツェリア
FH-8500DVS
AndroidAuto
CarPlay対応
KENWOOD
DDX5020S
AndroidAuto
CarPlay対応
パイオニア
カロッツェリア
DMH-SZ700
AndroidAuto
CarPlay対応
それでは、アンドロイドカーナビのデメリットを列挙してみましょう。
これはあくまでも、わたしが使っているATOTO A6PFを使用した上で感じたデメリットです。
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テレビ映像の受信ができない(前ナビはフルセグ地デジ機能が付いていた)
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DVD・CD再生ができない(前ナビはDVDプレーヤーが付いていた)
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ETC2.0による道路情報取得
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ETCとの連動(ETCレーン誘導、利用料金の読み上げ、ETC使用履歴)
とりあえず
デメリットとして列挙しましたが、どれも
無くても構わない機能です。
少なくとも、個人的には不可欠な機能ではありません。
TVやDVDは車内ではほとんど見ませんので問題ありません。
また、ETC2.0とナビ連動による道路情報の自動読み上げは、車内に無機質な機械音声をぶち込んできます。
音楽や会話の邪魔でしかなく、あの違和感満載の読み上げ音声は、
車内での会話が突然停まってしまうくらい酷いものです。
突発事故による高速通行止め等が通知されるのはありがたいですが、その程度なら電光掲示板でも表示されています。
(助手席の人に操作してもらって)iHighway等の高速道路アプリを起動し、道路状況を把握した方が視覚的に認識でき、わかりやすくて情報量も豊富です。
一人で運転している場合は、SA/PAに停車して操作しましょう(安全が最も重要です)
なお、アンドロイドカーナビ(アンドロイドOSのディスプレイオーディオ)でなくても、CarPlay/Android Auto対応の日本製ナビであれば、DVD/CD対応の機種は多いです。
具体例を挙げると、KENWOOD「DDX5020S」や、カロッツェリア「FH-8500DVS」は、CarPlay/Android Auto対応ナビですが、DVD/CD再生に対応しています。
(右の画像の商品です。実売価格が表示されない場合は広告ブロッカーをOFFにしてみてください)
ですがこれらは、従来型ナビのOSをベースとしているため、Googleプレイストアのアプリを好きなようにダウンロードして使うようなことはできません。
アンドロイドOSナビのように、「ネットに接続さえできれば、たいていの事はできる」といった柔軟性に乏しく、ネットに対する親和性が今ひとつです。
ちなみに、
カロッツェリア「DMH-SZ700」は、YouTubeを視聴可能ですが、それには
専用アプリ「CarAVAssist」を介する必要があります。決して自由自在に使えるわけではありません。
(ちなみに「DMH-SZ700」はDVD/CD非対応です)
日本製カーナビのメリットは、「製品信頼度が高く、日本語表示も適切」といった点が挙げられますが、海外製アンドロイドOSナビ(ディスプレイオーディオ)と比べると、機能的な面で見劣りする部分があることも確かです。
携帯電波の電界強度表示について
ナビの右上部分には、
携帯電波の電界強度と4G/5Gの電波種別が表示されていますが、これが意外な場所で役に立ちます。
都会であれば、どこへ行っても充分な電界強度がありますが、過疎地の山間部に入ると、電波が途切れがちな「
電波微弱地帯」に入ることがあります。
人が住んでいるエリアであれば、そういう事も少ないですが、わたしは登山が趣味ですので、登山口付近まで車で行くことも多いです。
人里離れて、山以外何もないような場所に行くと、本当に電波が届かない事もあるのです。
そういう時に限って、連絡が必要になったりもするのですが、「ここから先は電波が弱い」とか、「ここまで戻れば電波が充分届く」といったことが、走行しながら把握できるのは助かります。
「これから入山します」や、「無事下山しました」といった連絡を行うことで、家族を安心させることができます。
また、「山の麓は電波が微弱なため、下山連絡は●●村まで出てから行う予定」といった事を伝えることができます。
このように、人が住んでいないエリアに赴く場合は、走行中でも電界強度を常時確認可能であることが、以外に役に立つものです。
人が多く登っているような普通の登山であれば、たいてい大丈夫ではあることが多いですが、
鹿撃ちなどの猟、渓流釣り、沢登り、伐採や間伐などの森林管理など、未舗装林道の奥深くにまで足を踏み入れる方々にとっては、意外に有用な機能となりえます。
中華ナビのデメリット
OTTOCAST
Android9.0車載
メディアボックス
AndroidAuto
CarPlay
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マニュアルの日本語がこなれておらず、分かりづらい。
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表示語句も不自然なものが多い。
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公式サイトのスマホ版で見られる内容が、PC版ではアドレス打たないと見られない。
日本製でないために、表示されている日本語が直訳丸出しです。
ですが、意味が判らないというほどでもありません。
実質的にこれらのデメリットに直面するのは、初期設定の時であり、実際に使い始めるとCarPlay操作することになりますので、その部分の作り込みはAppleが行っています。
(Android Autoの場合は、Googleがインターフェイスを作っています)
ですので、使い始めてからは、これらのデメリットを感じることもほとんどありません。
このようにしてみると、アンドロイドナビ、および中華製ナビのデメリットは、そのほとんどが(個人的には)無視できる程度のものか、実使用時には不具合を感じないものとなります。
そういう意味では、今回ATOTO A6PFを購入したのは、大正解だったと感じます。
次のページでは、ATOTOナビを使っていて気になった点を紹介します。
ほとんどがバグ、もしくはローカライズの不足によるものですので、致命的なものはありません。
遅かれ早かれ修正されるものと思われますが、こうして記録・公開しておくことで、不具合が確実に修正されるとともに、ATOTO側の改善パッチ配布時期が早まる事を期待しています。
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