ナビロックボルト取り外し
カーナビの固定には、盗難防止用ロックボルトが使用されていることがあります。
一般的なドライバーやソケットでは嵌合が合いませんので、回すことができません。
キーアダプター(専用ソケット)を使えば良いだけですが、使用頻度の低い工具ですので、保管場所を忘れてしまうこともありがちです。
このページでは、
マックガード社(McGard)のロックボルトの外し方(裏技)と、盗難防止ボルトの特徴について解説します。
カーナビ用ロックボルトの取り外し
この車両(スバルXV)のカーナビは、4本のネジで固定されています。
2箇所については、上の画像のように普通のタッピングビス(木ネジ状のボルト)で固定されていますが…。
残りの2箇所は、
盗難防止用ロックボルトが使用されています。
ネジ頭の形状を見ると判りますが、
通常のドライバーやソケットレンチでは回すことができません。
このネジは、
マックガード社(McGard)のナビロックボルトで、スバルやトヨタからも純正パーツ扱いで供給されています。
品番は「
H0077YA000」、
ネジサイズは「M5」で、
形状は「タッピングビス」です。
(ねじ込んで使う「木ネジタイプ」です)
元々は、マックガード製の市販商品ですので、amazon等の通販や一般流通ルートで入手することも可能です。
上の画像のように、取り外し用専用ソケット(キーアダプター)も持ってはいたのですが、この時はどこに直したか思い出せず、探すのも面倒だったため、
裏技で外すことにしました。
ロックボルトを(専用ソケットを使わずに)外すには、丁度よいサイズのマイナスドライバーを用意し、溝にぴったり嵌る場所を探し当て、ぐっと押し当てて回します。
きちっと噛み込んで、トルクのかけられる場所を探り当てるのが重要です。
また、
カムアウトしないように、ドライバーをしっかり押し付けながら回すことも重要です。
(悪用しないでくださいね)
今回はこのやり方で外すことができましたが、「こうやれば誰でも簡単に、必ず外れる」というものでもありません。
締結トルクがきつかったり固着が出ている場合は、充分な嵌合力が得られず、ネジ回し経験値の浅い人の場合、ネジ頭の溝を潰しかねません。
ネジ溝がタッピングビスでなく通常タイプであり、さらにネジロック塗布済みの場合は、まず無理だと思います。
ショックドライバーや貫通ドライバー、
エキストラクターやロッキングプライヤーを使って、ネジ溝の潰れたボルトを何度も抜き取った経験のある方なら、おおよそ大丈夫でしょう。
そういう方は、ある程度の整備経験があり、『
溝が潰れはじめるあの嫌な感じ』を体感的に分かっているからです。
その場合は、こういった裏技を使っても大丈夫とは思いますが、ネジ締め・ネジ緩めの基本が分かっていない場合は、
きちんと専用ソケット(キーアダプター)で外すことをおすすめします。
裏技はあくまでも裏技であって、正道に優るものではありません。
基本をすっ飛ばして、いきなり応用をやるのは、リスクが高いのです。
一度ネジ溝が潰れてしまうと、本来の専用ソケットが正常に嵌合しなくなり、使えなくなります。
そうなるともう、ドリルで揉んで
エキストラクターなどの抜き取り専用工具を使って外すしかありません
(勘所がよく解っている人がやるには良いですが、素人さんが下手にやると、デメリットの方が大きいのです)
ここで言及した工具、全部知ってるかな?(やや特殊なものも)
● ショックドライバー (amazonで検索)
(特殊機能を内蔵したドライバー。叩く力を回転する力に変換する。安物はやめておこう!)
● 貫通ドライバー (amazonで検索)
(海外ではマイナー。どちらかと言うと日本独自。シャフトが柄を貫通している)
● エキストラクター (amazonで検索)
(ドリルのようでドリルでない。その名の通り『抜き取り器』)
● ロッキングプライヤー (amazonで検索)
(別名バイスグリップ。倍力と固定がミソ。これを使うと、ネジザウルスは所詮握力頼みなのだと実感する)
ロックボルト2本(左)と、一緒に装着されていたタッピングネジ2本(中央)、さらに同サイズのネジ2本(右、及び上の袋に入ったネジ)です。
太さ5m x 長さ16m のトラスタッピングネジが、ほぼ同サイズで使えます。
※ 『トラス』は、トラス頭のこと。ネジ頭形状の一種(他には、皿頭、鍋頭など)
※ 『タッピングネジ』(タッピングビス)は、ネジ溝部分が木ネジ形状になっていて、ナットで受けずにねじ込んで固定するタイプのビス。
タッピングネジ 5x16、ネットで買える
● タッピングねじ M5x16 (amazon 商品ページ)
上の画像の『ステントラスタッピング』と同じタイプのネジ、TRUSCO製
● トラスタッピング 5x16 (楽天で検索)
(ネジのトミモリなら、メール便対応)
マックガードの盗難防止用ロックボルト
マックガードの盗難防止用ロックボルトのネジ溝は、一見ただの花びら型のように見えますが、
よく見ると微妙にゆがんだ花びら型になっています。
さらにこのゆがみ具合は、一律ではありません。
シリンダー錠と鍵が1対1の組み合わせて開くように、マックガードのロックボルトも、かみ合わせが合わないと、ソケットとネジが嵌まらない構造となっています。
マックガードのキーアダプターをどこからか入手したとしても、それが特定のマックガードボルトに嵌まる可能性は、かなり低いわけです。
また、
マックガード製品にはスペアキーコード(鍵番号)が付いています。
万一ソケット(キーアダプター)を紛失した場合は、この番号を使用することで、合致するキーアダプターを単品購入できます。
キーアダプターだけでなく、スペアキーコードも紛失してしまうと、後々外す必要が生じたときに面倒なことになりますので、保管場所はよく考えて「ここなら大丈夫、忘れない」という場所にしておきましょう。
●
キーアダプターの再発行(McGard公式)
なお、amazonのレビューを見ると、「現物見るにザウルスでこじられたら普通に回せる」と書いている人もいますが、これはまず無理です
(日本語が変ですが、原文まま)
なぜかというと、
ネジ頭にテーパーが付けられており、挟み工具でつかもうとすると滑って掴めない角度になっているからです。
実際にやってみれば判りますが、つかもうとすると、手前側に押し出される感じになります。
わたしも
バイスグリップで挟むことができないか一度試してみましたが、滑って挟むことができませんでした。
倍力機構のあるバイスグリップで難しいようであれば、握力だよりの
ネジザウルスではまず無理です。
その他のマックガード、盗難防止用ロックボルト
McGard(マックガード)の盗難防止用ボルトには、カーナビ用以外にも、ナンバープレート用、ホイール用などがあります。
最も有名なのは、やはりホイール用です。
カーナビの取り外し
ナビロックボルトとマックガードの説明が終わったところで、
カーナビの取り外し手順に戻りましょう。
この車両の場合は、ロックボルトを2本外し、残り2本のトラスタッピングネジも外すと、カーナビの固定が外れます。
これは従来型(地図内蔵型)のカーナビですので、重量もそれなりにあります。
落とさないようしっかり持って、慎重に手前に引き抜きます。
カーナビの背面側から端子と接続ケーブルを見たところ。
このように、
こまめに画像を撮影しておくと良いです。
「このケーブルは、このソケットに嵌っていた」というのが、後でも確実に判ります。
後は、背面の接続ケーブルを一本一本外していけば、カーナビの取り外しは完了です。
ただここで注意したいのは、
闇雲に配線を外してしまうと、再度取り付ける際に、それが何のケーブルなのかが判りにくくなるという事です。
ケーブルを抜く前の状態であれば、ナビのマニュアル(取付設置説明書)と突き合わせることで、各ケーブルの種別が容易に判別できます。
(マニュアルを見なくてもケーブル外観だけで判別できるプロの方は別ですが、わたしはそこまでの技量はないので、後で識別できるよう一本一本「タグ付け」を施しました)
盗難防止ボルト を見てみよう
● 盗難防止ボルト (amazonで検索)
● 盗難防止ボルト (楽天で検索)
盗難防止ボルトは、マックガードだけではありません。他にもいろいろ
次ページ:
カーナビの配線・接続ケーブルの確認
月寅次郎の本(著作)
このページを読んで
役に立ったと思ったら、
投げ銭代わりに下の本でも買ってやって下さい。
※ 自動車の本でなくてスイマセン、このページを作った当人が書いた本です。
※ 電子書籍なので、読まずに購入のみでもOKです。サイト内にamazon広告が貼ってありますが、リンク経由で買い物して頂けると助かります。
当サイトには、レンタルサーバー費やドメイン管理料などのコストがかかっており、書籍の売上金はそれらの費用に充当されます。(ワタシの執筆料は0円でタダ働きです)
DIYカーメンテ に戻る
サイトのトップページ