ディスプレイオーディオ、Androidナビ(用語解説)
ディスプレイオーディオとAndroidカーナビの違いは何なのか、用語解説です。
当ページの執筆にはそれなりの時間と手間がかかっています。(他のページと同様に)無断転載等を禁止します
(書いているうちに長くなりましたので、別ページに分割しました)
ディスプレイオーディオ(DA)
CarPlayやAndroid Autoの登場により、従来の地図内蔵型カーナビが担っていた機能は、モバイル端末を接続・連携することで代替可能となりました。
音楽データの保存と再生機能は、スマホアプリに実装されており、経路検索や道案内などのナビゲーション機能も、充分実用の域に達しています。
(部分的には凌駕していると言っても過言ではないでしょう)
そのため、車両側の『機器』は、スマホから送られてくる映像信号をモニターに映し、音声信号をスピーカーから再生させるだけで済むようになりました。
そうなるともう、
地図データを内蔵したり更新したりする必要はなくなります。また、最適経路を計算・選択するプログラムも、もはや自社開発する必要はありません。
GoogleナビやYahooカーナビなど、スマホ側のアプリが、代りにやってくれるからです。
そのような背景から、「
ナビ機能を搭載しないカーナビ(としか言いようのない製品)」が発売されるようになりました。
とはいえナビゲーション機能を無くしたわけですから、さすがに「カーナビ」の名称で販売すると色々と問題が生じてきます。
(外観はどうみてもカーナビなのですが、何しろナビゲーション機能が実質的に無いわけです。さすがに「カーナビ」とは自称できません)
結果として生まれた用語が「ディスプレイオーディオ」です。
名は体を表すというか、そのまんまの名称です。
先の説明で、「実質的に、地図画面を映し出す『モニター』と、スピーカーを駆動する『アンプ』があれば良いだけ」…と、書きましたが、『アンプの付いた車載型モニター』という意味合いから、ディスプレイオーディオと呼ばれます。
(『DA』は、ディスプレイオーディオの略称です)
というわけで、語弊を恐れずに言ってしまうと、
「外観はカーナビではあるものの、ナビ機能や地図データを持たない車載用モニターが『ディスプレイオーディオ』です。
言葉の意義面から捉えると、「ステレオアンプの付いたモニター」という意味となります。
KENWOODはモニターレシーバー、PioneerはAVメインユニット
パイオニア
カロッツェリア
FH-8500DVS
AndroidAuto
CarPlay対応
KENWOOD
DDX5020S
AndroidAuto
CarPlay対応
このように
ディスプレイオーディオは、言ってみれば「ナビ機能を取っ払ったモニター付車載機器」とも言えるものですが、この呼び名は「業界標準の統一呼称」とまではなっていません。
そのため、各社それぞれに独自の呼び方をしています。
例を上げると、
KENWOODは「モニターレシーバー」という名称を使用しています。
●
モニターレシーバー製品一覧(KENWOOD公式)
また、
carrozzeria (パイオニア)は、「AVメインユニット」と呼称しています。
●
AVユニット製品一覧(Pioneer公式)
ディスプレイオーディオは、従来の地図内蔵型ナビを駆逐する勢いでシェアを拡大・発展中の商品であり、マーケット的には未成熟で成長途中の部類に入ります。
そのため、商品呼称も各社ばらばらのまま独自の呼称を付けている状態です。
アンドロイドナビ(Androidカーナビ)
アンドロイドナビという呼称は、『ディスプレイオーディオ』と同義的な意味合いで使われる場合が多いですが、厳密に言うと違いがあります。
アンドロイドナビは、
AndroidOS搭載のカーナビを、そうではない従来型独自OSナビと区別して呼ぶための呼称です。
(ナビ機能を実質的に搭載していない機器も多いですが、ここでは割愛します)
AndroidOSを前提とした呼称ですので、OSがLinuxであったり、自社カスタマイズの組み込みOS(独自OS)であった場合は、(CarPlayやAndroid Autoに対応していたとしても)アンドロイドナビとは呼ぶには支障があります。
ATOTO
F7G2A7XE
LinuxOS
例を上げると、
ATOTO F7シリーズはLinuxOSですので、アンドロイドナビとは呼べません。ディプレイオーディオと呼ぶ分には問題ないですが、AndroidOSではないため、語弊が生じます。
また、
KENWOOD彩速ナビは、OSにLinuxをカスタマイズしたものを使用しており、こちらもAndroidナビではありません。(ちなみに2012年までは、OSにWindows Automotiveを使っていました)
carrozzeriaも従来型ナビにWindows Automotiveを使っていたということですが、「オープンソース系OSの独自カスタマイズ品」を使用しているという情報もあります。
一方で、現行型サイバーナビのOSはAndroidが採用されているとの情報もあります。(ただ、あくまでもAndroidがベースであって、
独自カスタマイズの度合いが強いため、これはもう「独自OS」の範疇に入るでしょう。
このようなことから、国産メーカーのディスプレイオーディオ(モニターレシーバー/AVメインユニット)は、アンドロイドナビの範疇には入らないものがほとんどです。
OSのベースがたとえAndroidだったとしても、独自の作り込み部分が多いため、Android機を使っている印象が薄いのです。
(携帯電話の世界もそうでしたが、カーナビ製品においても、国内メーカーは独自性と差別化を図ろうとするあまり、製品が『ガラパゴス化』しており、一般的なアンドロイド端末のような統一された操作インターフェイスが感じられません)
ATOTO
A6G209PF
一方で、
ATOTOを代表とする中国メーカー製ディスプレイオーディオは、(Linux機を除けば)
Androidカーナビの代表とでも呼べるものです。(実際に使ってみると判りますが、あたかもAndroidタブレットでも使用しているかのような感覚を受けます)
どこからがアンドロイドナビで、どこからがアンドロイドナビでないかというのは、厳密な線引きの難しいところですが、個人的にポイントとして考えているのは…、
「
Googleプレイストアからアプリを自由にダウンロードでき、あたかも(電話機能の無い)Androidスマホのように使うことができる」という点です。
これが可能かどうかが、Androidナビと呼べるか否かの分かれ目であり、使い勝手が大きく変わるポイントです。
車で使っているアプリのページを見ると解りますが、Androidナビは、交通や天気などの運転に直結するアプリから、YouTubeやAmazon Prime Videoなどのエンターテイメント系まで、さまざまなアプリを、スマホと同様な操作感で使用することが可能です。
このようなアプリとの親和性があって初めて、Androidナビと呼べるものです。
ただ単に、CarPlay/Android Auto対応機能が必要なだけであれば、国産メーカーのディスプレイオーディオでも構いません。
ですが、
車内でもスマホと同様のネット環境を構築し、アプリを自由自在に使いたいという場合は、ATOTOに代表されるアンドロイドナビを選択するのがベストです。
(わたしがATOTO機(A6G209PF)を選択・購入したのも、そのポイントが決め手になっています)
●
ATOTO製品一覧(amazon)
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