カーナビ専用ハーネスの自作
カーナビには多数の配線がありますが、最も重要なのは、電源供給とオーディオ信号を担う『カーナビ用専用ハーネス』です。
アフターパーツとして市販されている、各自動車メーカー用の専用ハーネスを使うのも一つの手段ですが、
ここでは既存のカーナビ配線をカットして
ギボシ端子をかしめて装着し、
専用ハーネスを自作して対応することにしました。
圧着ペンチ(工具)やギボシ端子が手元にない方は、最初から専用ハーネス(オーディオハーネス)を買った方が早くて楽です。
車両メーカー別に市販されており、工具を買う費用もかかりませんし、なにより簡単・確実です。
このページでは、専用ハーネスをわざわざ自作していますが、「自分で作ると、これだけ手間がかかる」という見本でもあります。
こういった作業を面倒だと思わずに、楽しいDIYだと感じる方は、是非ともトライしてみてください。車いじりの幅が広がります。
メーカーごとのハーネスは、このページ末尾にリンク集を作りましたので、参考にしてください。
直接飛ぶ場合はこちらからどうぞ。ダイレクト接続ハーネス
※ ここでは「専用ハーネス」と呼んでいますが、他にもオーディオハーネス、電源ハーネス、○○車用配線カプラーなど、さまざまな呼称があります。
カーナビの配線・接続ケーブル
まずは、電源ハーネスである
20Pカプラ(20極配線コネクター)の
配線をよく確認します。
適宜、自筆で書き込みも入れて、一目で分かるようにしておきましょう。
なお、カプラの上下を間違えると、誤接続となるので注意しましょう
この20Pカプラの配線は…、
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イルミ電源
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配線無し(空き)
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アクセサリー電源(ACC)
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ステアリングスイッチ
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左後SP-
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左後SP+
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左前SP-
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左前SP+
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パワーアンテナ
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配線無し(空き)
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配線無し(空き)
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配線無し(空き)
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ステアリングスイッチのGND
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右後SP-
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右後SP+
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右前SP-
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右前SP+
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配線無し(空き)
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アース(GND)
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バッテリー(常時)
…となっています。
ハーネスの配線にタグ付け
配線の仕様が判ったところで、ケーブル一本一本にタグ付けをします。
(結構重要なポイントです)
「
色で判別できるので問題ない」というプロの方は、ここまでする必要はありませんが、黒と紺、赤と橙など、一見どちらか判りにくい色もあるものです。
(演色性の悪いLEDライトの光で見た場合、色の判別ができない場合もあります)
一度タグ付けしておくと、後々楽です。
ただ、タグ付けする配線を間違えては元も子もありませんので、タグ付け完了後に、再確認をして万全を期します。
20Pオーディオハーネスを、ばっさりと切断します。
ギボシ端子と圧着工具を用意
ギボシ端子を用意します。
ギボシ端子は、
必要な数よりも多めに、余裕を持って用意してください。
圧着作業に慣れている人はあまり失敗しませんが、
初めての場合は、たいてい何個か失敗するものです。
端子の数に余裕があれば、少々失敗しても、なんともありません。
切り落としてもう一度やり直せば良いだけです。何度もやっているうちに、上手になります。
ギボシ端子 を検索してみよう
● ギボシ端子 (amazonで検索)
● ギボシ端子 (楽天で検索)
文字入力の必要はありません。タップで検索結果が表示されます。
ギボシ端子の装着(かしめ)
圧着工具(圧着ペンチ)を使い、切断したケーブルに、ギボシ端子を一つ一つ付けていきます。
オス/メスの種別を確認しながら装着しましょう。
カバーの挿入も忘れてはいけません。
かしめた後で「しまった」となるのは「初心者あるある」です。
(気をつけましょう)
※ ギボシ端子のかしめ方や注意点、ありがちな失敗等は、次ページの、
●
ギボシ端子のかしめ方(よくある失敗と対処)
…で解説しています。
圧着工具 を検索してみよう
● 圧着工具 (amazonで検索)
● 圧着工具 (楽天で検索)
専用ハーネスの完成
「専用ハーネス」(自作品)が完成しました。
素人が作ったにしては、上出来です。
今回は自作品で対応しましたが、これと同様の製品は、
ナビックやエーモンから販売されています。
自分で作るのが面倒な場合は、購入した方が早いです。
筆者の車はスバルですので、こちらの、
ナビック スバル車用配線コード (20P) NBC-552Fを使えば良いわけです。
他メーカーについては、ページ末尾にリンク集を設けました。
直接飛ぶ場合はこちらからどうぞ。
専用ハーネス
なお、ギボシ端子を介さずに、直接接続するタイプもあり、
ダイレクト接続ハーネスと呼ばれています。
(ATOTO専用品ですので、純正オプションパーツとして販売されています。こちらも同様に、このページ末尾にリンク集を設けています。)
この車両はステアリングスイッチ装着車であり、ハンドル上のスイッチで音量や曲送りなどの操作が可能です。
当初、ステアリングスイッチの1と2の配線をどう区別するのか悩みましたが、ATOTOに確認したところ、
「設定時にソフト側で学習・固定するため、1と2の配線は、4番配線と12番配線のどちらでもOK」とのことでした。
※ 12番配線は、冒頭の画像に写っている説明書では「アキ(空き)」となっていますが、このようにステアリングスイッチ配線が2本ある場合に使用されることがあります。
● 関連ページ:ステアリングスイッチ
ナビ側の配線と接続
ナビ側に付属の配線に接続してみました。
おおよそきれいにまとめられたと思います。
ケーブル類を束ねるには、タイラップ(結束バンド)などを使うのが一般的ですが、この時点では、後で付け外しが容易になるよう、ビニールタイ(フリーカットワイヤー)で仮結束しています。
結束バンドは、一度締めるとカットしない限り外せないので、仮結束には向きません。
外すにはニッパーなどの工具が必要になります。
ビニールタイですと、指でくるくる撚るだけで結束でき、手でも外せるため、仮固定には重宝します。
タイラップやビニールテープは、このような配線作業には必須の道具ですが、フリーカットのビニタイも持っていると、なかなか使えて便利です。
ケーブルの一本一本にタグ付けするのは面倒な作業でしたが、大変だったその作業がここで生きてきます。
目視で確認しながら、ケーブル種別が同一のものを接続するだけで済むのです。
ケーブルの被覆色でも識別は可能ですが、似た色があったりして結構まごつくものです。
ナビと接続
ナビに接続してみました。
車両側の20Pカプラと接続すれば、ナビに電源が供給されますので、車上での作動確認が可能となります。
車両と接続、作動確認
実際に、
車内にナビを持ち込み、仮接続して作動確認してみました。
作動に問題ないことが確認できれば、後は実際に装着するだけです。
GPSアンテナや後部カメラ等の接続については、こちらのページ『
カーナビ作動確認(仮接続)』を…、
ギボシ端子のかしめ方の手順については『
ギボシ端子のかしめ方(よくある失敗と対処)』をご覧ください。
専用ハーネス、自作せずとも買えば良い
今回自作したのは、いわゆる
専用ハーネスや
オーディオハーネス、
電源ハーネスと呼ばれるものです。
筆者は自作好きなので、自分で作ってしまいましたが、真似をして
自作する必要はありません。
各自動車メーカーごとに市販品がありますので、それを購入すれば、大丈夫です。
(ちなみに右の画像は、エーモンの市販品でスバル用のものです)
(なお、ページ末尾で紹介している「ダイレクト接続ハーネス」を使えば、専用ハーネスよりも、さらに簡単になります)
専用ハーネス を見てみよう
検索する場合は、ナビックやエーモンなど、製造メーカー名を入れて検索するのがポイントです。
単に「ハーネス」で検索すると、犬用ハーネスや、人用ハーネス(安全帯)がヒットするからです。
● ナビック ハーネス (amazonで検索)
● ナビック ハーネス (楽天で検索)
DIY用車部品で有名な『エーモン』も、同様のハーネスをリリースしています。
● エーモン ハーネス (amazonで検索)
● エーモン ハーネス (楽天で検索)
『トヨタ車用』『日産車用』といった具合に、適用車種の表示があるので、それを見れば大丈夫です。
ダイレクト接続ハーネス
ギボシ端子で仲介接続するハーネス以外にも、
直結で接続するハーネスも市販されています。
これは
ATOTOの純正オプションパーツとして市販されているもので、これだと接続もあっという間に終わります。
カプラをはめ込むだけの、ワンタッチ接続です。
いわゆる「
ダイレクト接続ハーネス」と言われるもので、外観は右の画像のような感じです。
これだと配線もスッキリしますし、接続ミスの心配もありません。
面倒なことは避けて、
簡単に接続したい場合は、このような「ダイレクト接続ハーネス」がおすすめです。
※ ATOTO用の製品ですので、ALPINEやKENWOODなど、他メーカーのナビには使えません。
※ トヨタ用、日産用など、車メーカーごとに専用品があります。
※ S8、A6、F7など、ATOTO据付型ナビは、どれも使用可能となっていますが、購入前に適合確認はしておきましょう。
● 次ページ:
ギボシ端子のかしめ方
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